今から3年前の私のブログを引用して記事を書くことにしました。
その理由は、
「いまさら何を言っているのか?…ボケ!」
<`ヘ´>
という解説記事を某・最大手経済新聞の朝刊で見出したからです。
先ずは、この私のブログの3年前(2016-10-24)の記事を原文通り引用します。
以下、引用。
★ ★ ★ ★ ★
財務省から貿易収支統計が…
発表されました。
2016年度4-9月期の貿易収支は2兆4579億円の黒字であり、東日本大震災前の水準を超えているようです。
所得収支は定常的に黒字ですから、経常収支は当然黒字です。
「アベノミクスは順調…大成功だ!」
…そういう声も出てきそうですが、統計の中身を点検すると単純には喜べません。
貿易収支は、[輸出]−[輸入]で決まりますから、輸出額が大きく増えた場合はもちろん、輸出額が増えなくても(仮に輸出額が減っても)輸入額が大きく減れば黒字化します。
そこで4-9月期の統計数字をチェックすると…
・輸出額は前年同期比9.9%減少、
・輸入額は前年同期比19.1%減少、
でしたから…
輸出額は減ったが輸入額はそれ以上に減ったので貿易黒字になった、ということです。
アベノミクスの異次元金融緩和・円安政策は、国内の生産コストを下げて輸出を増やすというものでしたが、結果はその真逆で輸出額は減ってしまったわけです。
アベノミクスは時代錯誤の政策
(高度成長下での輸出立国型の経済政策であって、内需主導で海外は現地生産型の成熟経済の現代日本にはマッチしない政策)
であることが証明されているわけで、いつまでこの1970〜80年代型の「古き良き時代」の政策を続けるのでしょうか。
財務省は、自動車関連を始めとして「海外拠点での生産移管が増えている」のが、輸出額が伸びない原因と指摘している(これは正しいし、これが所得収支の黒字の原因になっている!)ようですが、そうであるならアベノミクス=円安政策は、日本経済にとって逆噴射政策ではないのでしょうか。
円高になると輸出型企業の利益(あくまで円貨での利益)が減って株安になるから困る、というロジック自体は正しいです…
が、輸出比率が50%を超える輸出型企業は東証一部上場銘柄のうち8%に過ぎませんから、日本経済全体で考えると円高恐怖症/円安善玉論は奇妙な (逆さまの?)議論です。
「自国通貨が下落して(円安になって)喜んで、株価が上がるなんて酔狂な市場は東京だけ」、と指摘する識者もいますが、そろそろ為替に関する根本認識を変えても良い時期じゃないのでしょうか。
参考までに付言すると…
輸入額が2割以上も減ったのは、周知の通り国際的な原油価格(ドルベース)の下落が続いているからで、アベノミクスとは何の関わりもありません。
★ ★ ★ ★ ★
以上、引用終わり。
要点は、
1.日本経済にとって、円安を「善」とする考えは1970〜80年代型の「古き良き時代」のもので、今は時代錯誤、
2.今の日本は輸出立国ではなく内需経済が重要、円安政策は日本経済にとって逆噴射の議論、
3.「自国通貨が下落して(円安になって)喜んで、株価が上がるなんて酔狂な市場は東京だけ」、
4.そろそろ為替に関する根本認識を変えても良い時期、
といったところです。
冒頭に指摘した某・最大手経済新聞の本日(2019年11月16日)付けの第一面です。
タイトルは、
「揺らぐ『円安歓迎論』
マイナス効果3倍に 輸出は連動弱く」
というもの。
そして、
「輸入による押し下げが強まった」ことを示すグラフと、
「最近は円安と輸出の関係が乏しい」ことを示すグラフと
を掲載しています。
「今さら何を言っているか!」と言いたい。
本来なら、
この記事を引用して、その問題点を指摘するブログ記事を書きたいところですが、止めておきます。
この新聞社は、記事をコピーしてブログに取り上げると、著作権侵害を匂わせて(侵害とは言わないで)多額の「コンテンツ使用料」を請求してきます。
実際、私のところに同社の法務セクションから警告書が来て、2人の顧問弁護士が交渉に来たことがあります。
私は著作権法上の引用に当たる(自由に使用できることが法的に保障されている)旨を主張して議論になりました。
結局、某・最大手経済新聞社は使用料を請求しない、私は同社系メディアの記事を取り込んでブログを書かない、という2点を互いに約束して終結しました。
これは2016年前後の話です。
今でも、当時の資料は全て残してあるので、いずれ、これを使って私なりの議論をする機会があるかもしれません。
ともあれ、経済や為替の専門家でもない私でさえ、
「円安=善玉論は時代錯誤、円安政策は日本経済の体力をむしばむ」
と、3年以上前(ブログを振り返ると10数年前)から考えていたのに、、、
今頃になって、
天下の某・大手経済新聞は、日本経済がにっちもさっちもいかなくなってから、やっとこさ、「揺らぐ『円安歓迎論』」などを書き始めた…
ちょいと遅い(遅すぎる)のではないでしょうか?
というか、
メディアの本質は「後追い」ですから、こんなものでしょうか?
++++++++++++++
ここから先は、私の独断的な推測です。
円安政策(=異次元金融緩和)はアベノミクスの看板政策です。
メディアが某政権に忖度するなら、円安政策を批判するような論調は取れない。
ところが、
最近は某政権の行く末も、桜の花が舞い散る如く、徐々に見えてきて、メディアが忖度する必要が薄れてきた。
そろそろ、円安政策批判をやっても大丈夫かも?
とまあ、
こんな話だけではないでしょうが、そういう要素も含まれているように感じています。
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